寺院名: 永福寺(蛸薬師堂)
宗派: 浄土宗西山深草派系単立
所在地: 京都府京都市中京区
「蛸薬師如来」
寅薬師・誓願寺などと並んで、新京極の商店街の中にあるお寺ですが、昔から様々な祈祷を行うためのお寺だったようで、観光客などが行き交う新京極の喧噪の中でも、この空間だけぽっかりと神秘的な雰囲気を湛えているように感じます。
以前から何度もお詣りしていることもあって、すっかり顔なじみになってしまったのですが、今回はこのお寺で京都十二薬師の巡礼を成満することになりました。
洛陽三十三観音と比べて、京都十二薬師の巡礼は札所数も少なく、ほとんどのお寺は市内に集中しているので、比較的手軽に巡拝することができます。今回も、約二ヶ月で全部回ることができました。十二薬師の巡礼だけを目的にするならば、おそらく二日あれば、それなりに余裕を持って回ることができそうです(一日でも不可能ではないですが、かなり忙しいと思います)。
むしろ、十二薬師巡礼の良いところは、お寺の方とコミュニケーションをしながらお詣りできるというお寺が多いことであると思います。まだしばらく京都に行く事が多そうですので、二巡目以降も続けてみようかと思います。
ところで。今回判明したことなのですが、これまで蛸薬師堂(永福寺)と、同じ敷地の妙心寺は浄土宗西山深草派だと思っていたのですが、どうやら現在はそこから独立しているようです。詳しい経緯までは詮索しなかったのですが、少なくとも現在は「西山深草派系単立」とのことです。
永福寺は薬師如来が本尊なので、阿彌陀如来を本尊とする浄土宗系としては珍しいと思っていたのですが、かつては天台宗だったのだそうで、おそらくその名残なのかもしれません。その後何らかの経緯で浄土宗になり、永福寺はおもに祈祷を扱い、妙心寺は供養を扱う(この二つの線引きも難しいのですが)という役割分担になっているようです(因みに、妙心寺の本尊は阿彌陀如来)。
[京都十二薬師霊場 第十二番(成満)]
蛸薬師