記事一覧

宝くじの買い方と確率

 べつに宝くじで儲けようと云うわけでは無いんですが、きのうの京都の帰り、車中で読んでいた本に出てきた話の中に、こんな話が出ていました。

 100万枚売り出される宝くじがあり、1本だけアタリが入っています。これを全部買い占めたら、当然、必ずアタリを引きます。しかし、同じ100万分の1という当選確率を持つ別々の宝くじを1枚ずつ、100万種類買ったとしたら、アタリを引く可能性は違ってきます。

 感覚的に考えても、1枚ずつ100万回(別々の)宝くじを買う場合、ふつうに考えてもアタリを引く確率は「買い占める場合」とくらべて低くなるように思われるのですが、どの程度確率が低くなるのでしょうか?

 確率・統計の教科書を引っ張り出して来ればいいんですが、どういう計算をしたらいいのか、昨日からずっと考えています。話を単純化するため、「少なくとも1回はアタリが出れば良い」という条件をつけた上で、仮に総数を100万本ではなくて2本としてみると、「1本ずつ2回買う」場合の組み合わせは、○をアタリ、●をハズレとして:

 ○●  ○○  ●○  ●●

という4通りで、ハズレが2回続く場合はそのうちの1通り、少なくともアタリが1回でも出るのは3通りになります。ということは、総数が2本の場合に「2種類のクジを1本ずつ買う」ときの「アタリが少なくとも1回は出る」確率は75%ということになり、「買い占める」場合(100%)より25%は「アタリ」が出る可能性が低くなるようです。

 しかし、総数が3本より多くなる場合は、少し複雑になります。3本の場合も、同様に手書きで書き出してみると次の8通りになると思います:

 ○○○  ○○●  ○●●  ○●○
 ●●●  ●●○  ●○○  ●○●

しかし2本の場合と違い、1回ごとに「ハズレ」を引く確率は2/3です(「アタリ」を引く確率は1/3)。したがって、「全部ハズレを引く」場合の確率を計算すると、2/3の3乗で8/27となり、それ以外の場合である19/27、つまり約70%が「少なくとも1回はアタリを引く」確率ということになります。これを4本の場合でも試みてみたら、

 1-(3/4)^4 = 1-(81/256) = 175/256 ≒ 68(%)

でした。一般化すると:

 1-{(n-1)/n}^n

という式になります。そこで、100万本の場合を計算してみると:

 1-(999999/1000000)^1000000 = (0.999999)^1000000 ≒ 37(%)

となって、1本ずつ買った場合は100万回買っても、「少なくとも1本アタリ」は4割弱にしかならないようです。

 因みに。1000本の場合と10000本の場合も計算してみると:

 1-(9999/10000)^10000 = (0.9999)^10000 = 0.3678610464...
 1-(999/1000)^1000 = (0.999)^1000 = 0.3676954247...

となって、大体37%ぐらいに収束するらしいです。

 …電卓と筆算ではこんな感じの結論になったんですが、計算が合っているかどうか自身が無くなってきたので、間違っていたらご指摘ください。_| ̄|○

 とりあえずわかったことは、クジに投資しても、そうそう簡単には儲からないということでした。

トラックバック一覧

コメント一覧