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『チェンジング・ブルー』

 今日は時間が無くて、寺社巡りには行けませんでした。(´・ω・`)
 イヤ、ですから仕事はちゃんとや(ry

 かわりに、河原町の高島屋に寄って、小倉山荘のせんべいをお土産に買いました。

 ところで、往き来の車中で『チェンジング・ブルー―気候変動の謎に迫る』という本を読んでいて、まだ四分の一ぐらいしか読んでいないのですが、これがとても面白い科学読み物です。

 この本は、地球環境が過去にどのように変動してきたか、また、どういう要因が地球を温暖化したり、氷河期にしてきたのか、ということがテーマになっています。現代の科学者たちが、そうした過去の環境変動をどのように読み取って来たかということが描かれているのですが、この本を読んでいると、科学史に残る革命的な発見を追体験するようにわくわくさせられます。また、地球科学の素養が全く無くとも読み進められるよう、かなり丁寧な解説がなされていると思います。

 全部で四百頁もある大著のこの本、はじめの方(というか、まだそれしか読んでいないのですが)は同位体地球化学の話しに頁が割かれています。イチオウ私もその分野に関わっているのですが、わかりやすい解説を読みながら、改めて復習する思いです。

 そう、これを読んでいて想い出したのは、昨年逝くなった、同位体地球化学のお師匠である佐竹教授の講義でした。博士課程に進学したころは(というか今でも?)、同位体化学どころか一般化学すらよく分かっていなかったので、四年生に混じって同位体化学の講義を聴きました。佐竹教授から聞いた説明は講義ですから、この本の説明よりもずっくだけたものでしたが、「どうして内陸ほど降水の同位体比が低下するのか」とか「レイリーの蒸留モデル」とか、十年近く前の講義の記憶がよみがえってくるのでした。

 過去の地球がわかれば、未来の地球がわかる…というほどに簡単ではないですが、少なくとも、未来を知るためには過去を知らなければならないということは、間違いないと思います。地球の過去を掘り起こしながら、地学の基本的な知識を得られるという意味でも、お奨めの一冊だと思います(読み終わってもいないのに、お奨めするのも変ですが)。

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