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悲愴交響楽

 119年前の今日は、チャイコフスキーの交響楽「悲愴」が初演された日だそうです。

 子どもの頃、この曲のレコードを発見したけれども、出だしからタルい音楽で聴く気が起こらず、むしろ裏面に入っていたバイオリン協奏曲が好きで、最初に出てくる主題が全合奏で盛り上がるところをワクワクしながら、繰り返し聴いた記憶があります。

 オトナになってから、多少はいろんな事がわかるようになって、悲愴交響楽も退屈な音楽ではなくなりましたが、子どもの時にもっとガマンして第三楽章まで聴いていればヨカッタのかも知れません。少なくとも、第三楽章のスケルツオの部分は、たいていの人は一度は聴いたときがある音楽だと思いますし、後半の行進曲風の部分は実演で聴くと、終わった瞬間に立ち上がってしまうぐらいの迫力があります。実際、実演の時には第三楽章が終わったところで拍手が入ることもあるようです。この「第三楽章の後の拍手」は、習慣的にそうすることになっているのか、それとも偶々そういう場合が多いだけなのかはよく知りません。どっちなんでしょう。( ・ω・)

 さて、この「悲愴」ですが、いまでも私は通しで聴くことはあんまり無くて、たいていは第三楽章しか聴かないときが多いです。私の好きな演奏は、一糸乱れぬ鋼鉄の意志という感じのムラビンスキー/レニングラード・フィルの演奏です。但し、1960年の録音。新しいものも出ていますが、1960年の録音と較べると、かなり落ちるとおもいます。

 

 おそらく、ムラビンスキーと対照的?な演奏のひとつが、アーベントロート/ライプチヒ放送交響楽団の演奏です(録音はたいへん古いですが)。

 

 この演奏、特に後半の行進曲の部分、ティンパニの打ち込みの激しさが印象的ですし、テンポをぐっと落として踏みしめるように繰り返すところも心にずっしりと来るものがあります。そして、終わりにかけては急加速して、最後の部分では再びティンパニのこれでもかという乱打を聴くことができます。今となっては絶対に不可能ですが、アーベントロートは実演で聴いてみたかった演奏家の一人なのです。

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