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『天才柳沢教授の生活 第29巻』

 『天才柳沢教授の生活』の最新刊が発売されていました。この漫画は、最近ではもっとも気に入っている漫画のひとつです。

 ほとんどの話は一回で完結する読み切りです。最初のうちの何話かは、この風変わりな教授の日常生活自体を題材にしたものが多いのですが、特に最近の作品は、教授の周辺で起こる様々な人間模様に焦点を当てた話が中心です。

 この柳沢教授(というよりも、作者の山下和美)のすごいところは、人の心の機微を独特の視線で焙り出すところなのですが、どの話もはっとさせられたり、じんとさせられたり、心に響く物ばかりだと思います。

 この巻に収められた話のいずれも良いのですが、巻末の、教授の幼かった頃に母と死別したときの話、それから、孫の華子にお金の価値について「お掃除の手伝い」を通して語りかける話が印象的でした。

 余計なお世話かも知れませんが、長いこと「助教授」という職名で書かれていた吉田「助教授」が、やっと吉田「准教授」で登場していました(その話のなかで、最後の一コマでは痛烈なオチが附くんですが…)。こういう揚げ足取りはともかくとして、ひとりの大学教員として、この漫画から考えさせられることは、沢山あるように思います。

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