さいきん、ひそかに気になっているのが黄檗宗です。江戸時代に来日した隠元禅師が開き、明朝の様式をそのまま現在に伝えているという宗派なのですが、お経の読み方も中国語の発音を忠実に守っているようです。
…生で聴いてみたい。というわけで、雨が降ったり止んだりする不安定な天気の中でしたが、授業が終わってから宇治に行ってきますた。
宇治駅の一つ手前、その名も黄檗という駅から歩いて十分ぐらいのところに、黄檗宗の大本山である萬福寺があります。
一番外側の門である総門からして、何となく日本のお寺とは雰囲気が違う感じです。
さらに中に進むと三門です。日本の禅寺のそれと大きくは変わらないかも知れませんが、扉の両側に掛けられた対聯が中国的な雰囲気を醸し出しています。そこから中に入ると、雰囲気がガラッと変わってしまいます。
三門から中は、日本ではなくて中国です。天王殿に祀られている布袋様の像やその飾り付けなど、日本の他のお寺ではなかなか見られない雰囲気です。
境内は回廊に沿って一巡することができます。齊堂という食事を取るための場所には、木魚の原型となったと云われる、魚をあしらった木の板(開板)が吊り下げられていました。これを叩いて、食事とか法事などの時を知らせるのだそうです。
本堂に相当するのは「大雄宝殿(だいおうほうでん)」というお堂です。お線香も竹串がついている中国風の線香が上げられていました。
本堂に祀られている仏像や周囲に配されている羅漢像なども、日本のお寺とはだいぶ違う感じで、なんというか中国の神仙世界の影響を感じさせる雰囲気でした。
事前に電話で訊いたところ、夕べのお勤めは十六時頃から始めるとの事だったので、黄檗宗独特のお経を聴くことが出来るのかと思っていました。しかし、受付で訊いてみたところ、夕べのお勤めは毎日するとは限らず、作務が長引く時は行わない時もかなりあるとのこと。その代わり、朝のお勤めは必ず毎日行うから、もしよろしければ五時に来てみてください、とのことでした。
…京都泊まりのときに、早起きして来てみようか知らん。どうやら、再訪する御縁を頂いたようです。(・ω・)