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泉涌寺(の塔頭)再訪

 先週の金曜日に泉涌寺に行ってきたばかりですが、泉涌寺そのものよりも、塔頭寺院が気になって気になって、結局今日も、もう一度泉涌寺に行ってきました。

 …といっても、泉涌寺自体はスルーで、特に気になった二箇所の塔頭寺院にしか行きませんでしたが。

 ひとつは来迎院という塔頭で、三宝荒神が祀られている神仏習合の雰囲気が強いお寺です。泉涌寺自体がどちらかというとひっそりとした「隠れた名所」という感じですが、わけてもこの来迎院は特にひっそりとした感じが漂っている気がします。

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 境内には、弘法大師の掘ったという井戸が祠の中に祀られているのですが、そのわきの石仏のところには、何やら芸術的なクモの巣がかかっていました。

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 また、「含翠の庭」という庭園があり、その一角には大石内蔵助が建てたという「含翠軒」という茶室があります。この茶室で仇討の策を相談したとかナントカ。お庭の拝観は有料ですが、拝観と合わせて抹茶(これも有料)を頂くことができます。客殿の一角に上げていただき、大石内蔵助に因んだ、巴の紋の入った茶碗でお茶を出していただきました。

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 お庭自体は良く手入れされていると云うよりもむしろ、伸び放題の草木に囲まれた感じですが、野趣あふれると云えば良いのかもしれません。とはいえ、随所に青モミジも見られたので、秋に来たらさぞかし趣があるんじゃないかと思われます。

 もう一箇所、悲田院にも寄りました。こちらでは、先日来た時に御朱印を書いて下さった若い娘さんが、本堂などを案内して下さいました。

 このお寺には、他にはあまり例を見ない「逆手の阿彌陀如来」と云う、印相が左右逆になっている像が祀られています。また、快慶作と云う「宝冠阿彌陀如来像」も異例の造形で、ふつう、如来像はシンプルな衣だけで装飾は付けていないけれども、この阿彌陀如来像はきらびやかな装飾を身に附けている上、ふつうは片肌を出している衣が両肩を覆っています。こうした仏像や、土佐光起らの襖絵などを、解説を聞きながらごくごく間近で拝むことができました。

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 この悲田院、京都市内を望む、とても景色のよい場所にあります。以前は宿坊を経営していたようで、一度泊まってみたいと思ったのですが、残念ながら現在は営業していないとのことでした。(´・ω・`)