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チューダーのスクエアリューズガード付きサブマリーナーが新登場。

チューダーのスクエアリューズガード付きサブマリーナーが新登場。

先週は4打数2安打。野球なら殿堂入りレベルだし、まあ悪くない。バルセロナのパテックRef.1486は希望価格の1万2000ユーロ(日本円で約190万円)ですぐに売れた。しかも購入者はBring A Loupeの読者! SB、おめでとう! あのちょっと変わったドクサはeBayで勢いづき、最終的に3650ドル(日本円で約55万円)という驚きの価格で落札された。そして最後に、2週間前に紹介したロレックス Ref.6424も決着がついて2325ドル(日本円で約35万円)で販売された。

それでは、今週のセレクションへいこう。

チューダースーパーコピー優良サイト サブマリーナー Ref.7928、スクエアリューズガードと三角形のレッドインサート付き、1959年製
今週は“手に届きやすい時計”を取り上げると言った? そのとおり。でもこの時計が8万ドル(日本円で約1200万円)するって? それもまたそのとおり。なぜこれを選んだのか説明させて欲しい。まず、どのBAL(Bring A Loupe)にもただただ目の保養のためだけの時計がひとつは必要だ。高価なヴィンテージウォッチ、特にロレックスやチューダーのものは、写真映えしすぎる。そのためこういう時計を完全にスルーするわけにはいかない。

さて、もちろんこの時計が安いとは言わない。ただその価値がどこにあるのかを知るのは大事だ。まず、1950年代と1960年代のチューダー サブマリーナーは、ロレックスのサブマリーナーよりも生産量が少なかった。とはいえムーブメントは“既製品”で、ロレックスの品質には及ばないがこのサブマリーナーはRef.5512よりも“希少”だ。同じコンディションなら、1959年製の5512はこの価格の約2倍になるだろう。そしてどちらの1959年製サブマリーナーでも最も高価なパーツは、赤い三角形のインサートだ。まったく同じパーツが両方のサブマリーナーに使われており、2025年に見つけるのは信じられないほど難しい。ヴィンテージロレックスに夢中な人なら、このベゼルだけに3万ドル(日本円で約450万円)払うかもしれない。

価格や価値を抜きにすれば、この時計は膨大なヴィンテージサブマリーナーのなかでも客観的に見て特別な存在だ。1959年は、現在のロレックス サブマリーナーとほぼ同じデザインの原型が確立した年だ。この年に初めてリューズガードが採用され、ここに見られるスクエア型のリューズガードがその最初の形だ。そのデザインはこれまでに製造されたどのサブマリーナーともまったく異なる。まるでロレックスがまだ適切な形のガードを模索しながら、とりあえず生産していたかのようだ。使い勝手が悪くリューズの操作が難しかったため、生産はわずか1年で終了した。ロレックスとチューダーはすぐにより実用的な“イーグルビーク”ガードへと移行した。

スクエアリューズガード付きのサブマリーナーを見つけるのはそこまで難しくない。しかし一見ポリッシュされていないケース、正しい三角形のレッドインサート、そして美しくエイジングした“トロピカル”ダイヤルが揃った個体となると、それはまさに干し草の山から針を探すようなものだ。

この時計を販売しているのは、カリフォルニアでIconic Watch Companyを営むマイケル・モーガン(Michael Morgan)氏だ。彼はこのチューダー サブマリーナーを8万ドル(日本円で約1200万円)でウェブサイトに掲載している。詳細はこちら。

リップ クロノグラフ、エキゾチックな“ポール・ニューマン”ダイヤル付き、1970年代製
Aロレックスのポール・ニューマンがなぜ数十万ドルもの価値があるのかについて丸ごと1本記事を書いた身としては、この時計を取り上げるのは矛盾しているような気もする。でも、まあいいか! リップは1867年創業のフレンチブランドで、フレンチウォッチ産業の発祥地ブザンソンで誕生した。リップは常に革新的なデザインを追求し、高い評価を得てきた。GoogleやeBayを覗いてみればユニークなデザインの時計がたくさん見つかるはずだ。そのため1960〜70年代にシンガー(Singer)社が各ブランドに提供したデザインのなかから、リップが“エキゾチック”なデザインを選んだのも当然だろう。これがのちに“ポール・ニューマン”ダイヤルとして知られるようになる。

1960年代から70年代にかけて、リップは経営に苦戦していた。クォーツショックが直撃したころリップはすでに売上不振に陥っていた。そこでなんとか工夫して製品を生み出す必要があった。これらのニューマン・クロノグラフは、リップとブライトリングの提携によるものだ。ブライトリングが製造を担当し、リップがスイス製クロノグラフをフランスの小売ネットワークに流通させた。この時代にはダブルネームのブライトリングモデルも登場しており、たとえばRef.765 AVI、ナビタイマー、スーパーオーシャンなどがある。

こうした要素が組み合わさった結果、バルジュームーブメントを搭載したスイス製クロノグラフに、シンガー製の“エキゾチック”ニューマンダイヤルが加わった。そして運がよければ、5000ドル(日本円で約75万円)以下で見つけることもできる。間違いなく素晴らしい時計で、価格も魅力的だ。すぐに売れてしまうはずだし、今まさにこの記事を書いているあいだに売れてしまわないことを願うばかりだ!

サンフランシスコのeBay出品者が、リップを即決価格4900ドル(日本円で約74万円)で出品中。詳細はこちら。

ジュネーブ・スポーツ クロノグラフ、セクターダイヤルとブレゲ針付き、1930年代製
ジュネーブ・スポーツというと、情報を見つけるのがほぼ不可能な一般的なブランド名のように聞こえるが、実際には“スイス製、しかもジュネーブ製だから素晴らしい”という単純なブランディング以上のものがある。こうしたブランドは多く、クロノグラフスイスなどが思い浮かぶが、ジュネーブ・スポーツは本物の実績を持っている。このブランドは腕時計用クロノグラフムーブメントの製造を早くから手がけており、特に1920~30年代に製造されたモノプッシャー仕様の小径キャリバーで知られる。ジュネーブ・スポーツはフィリップスの伝説的なテーマオークション、Start-Stop-Resetで落札されたこともある。ロレックスもまた、モノプッシャー仕様の“ベビー”クロノグラフにジュネーブ・スポーツのキャリバーを採用していた。

ジュネーブ・スポーツは自社製キャリバーを製造していたが、この1930年代のクロノグラフにはバルジュー22が搭載されている。これは時計のサイズが理由だろう。ジュネーブ・スポーツは小型のクロノグラフムーブメントの製造には優れていたが、ケース径の大きなモデルにはバルジューからエボーシュを購入していたようだ。BALのために毎週多くのヴィンテージクロノグラフをチェックしているが、この時計には本当に圧倒された。ヴィンテージ好きの心をくすぐるディテールが満載だ。37mmのコインエッジケース? もちろん大歓迎。セクターダイヤル?  いいね。ブレゲ針? なぜダメな理由がある。最高の1本だ。

ニューヨークのGoldfinger's Vintageのディラン(Dylan)氏は、昨日このジュネーブ・スポーツを仕入れ、6300ドル(日本円で約95万円)の価格設定をしている。詳細は彼のInstagramページでチェックして、気になる人はメッセージを送ってみよう。

オールドイングランド “ジャンボ・ベニュワール”、1968年製

ロンドンのスウィンギング・シックスティーズがカルティエのロンドン工房のデザインにどのように影響を与え、その結果“クラッシュ”や“ペブル”、“マキシ オーバル”といった時計が生み出されたことをご存じだろう。これらはすでによく知られ称賛されている。前述のカルティエ ロンドンウォッチの価格を見ればその価値が証明されている。

しかし、オールドイングランドについて語られることはほとんどない。品質の面では対極にあるオールドイングランドの時計は、ボンド・ストリートではなくビートルズが手がけた短命の小売店“アップル・ブティック”で販売されていた。

アップル・ブティックは明るくサイケデリックで、革命的な場所を目指していた。ポール・マッカートニー(Paul McCartney)氏はこう表現している。“美しい人々が美しいものを買える美しい場所”だと。アップル・ブティックは時代を先取りした空間であり、ビートルズがファンやロンドンの洗練された人々と交流し、バンド関連アイテムを販売する場としてつくり上げたものだった。また店内のすべての商品が販売されていたことも画期的だった。

しかしこの店はわずか8カ月で閉店することになった。その大きな理由は、毎日のように商品が“盗まれていた”ことにある。“盗まれる”と強調したのは、その多くが実際の窃盗ではなく従業員が商品を配ってしまったり、何が売り物で何が客の持ち込み品なのかを把握していなかったためだった。

とにかく、オールドイングランドの時計はアップル・ブティックで販売され、さまざまなデザインが1960年代ロンドンの文化を色濃く反映していた。バリエーションも豊富でその多くは金メッキまたはクロームのケースに、シンプルな手巻きのスイス製ムーブメントを搭載している。明らかにカルティエのマキシ オーバルに影響を受けており、個人的にこのモデルをかなり気に入っている。要するに、これは1968年のロンドンを象徴するファッションウォッチということだ。

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